2005年 01月 24日
今は見るかげもないが中学のころは理科がすごい得意だった。
中学にあがる年に物置で「タイムマシンの作り方」とかいう本をみつけた。うろ覚えだが「光速を超えれば時間は戻る」とかいういい加減な内容で、にもかかわらず精神的にも幼いわたしは思いっきり感化された。こりゃすげえや。脳みそをフル回転させ、ならったばかりの慣性の法則を用いて「宇宙では一度光速をだせばタイムマシン完成」という結論をはじきだし、新任まもない小学校の担任にむかって熱弁したのを思い出す。へたしたら今はもう、あの頃の先生と同じ歳かもしれない。 その本には「ワープ航法」の仕方とかも載っていた。これもうろ覚えだが、なんでも宇宙にはワームホールとかいう出口のあるブラックホールのようなものがあって、それを利用すればワープができるらしい。「折り紙をイメージしてください。ワープとは空間をねじまげることにより折り紙の端と端をくっつけることなのです。」というような論理というものから最も遠い説明すらも、わたしにはなんて知的なんだろうと思え、ほうぼうにいっては「ワープとは折り紙を曲げることだ。」と言っていた。中学生なのに。書いてるうちに恥ずかしくなってきたが、本質的なとこは今も変わってない気がする。ちなみにこれはあくまで、わたし個人の問題であって、田舎の中学生がみんな馬鹿なのではない。そこは強く申し上げておく。 そんなんで、これは将来は宇宙開発にたずさわらねければと本気で考えた。性格もあってかかなり熱心に進路も調べた。日本で宇宙といえば種子島宇宙センターしか思いつかないが、どうだろう。名前がよくない気がする。しかも、エイリアンとのファーストコンタクトというような地球史に残る出来事には携われなそうだ。目標だけは高かったわたしは結局NASAにいこうと考え、実際NASAは多国籍な組織であり日本人も数名在籍していることも調べた。中学を通じてそんなことを言っていたが、かたや映画にも入れこんでいたのでインデペンデンスデイとかが混じっていた気がする。 修学旅行の夜に大人ぶって酒などもちこみながら将来の話をする折などに、NASAにいく旨をよく公言していた。その頃の友達に会うといまでもNASAはどうしたと言われる。顔から火がでる思いだ。まああっちもスポーツ選手とか歌手だとか言ってたからおあいこだろう。余談だがサラリーマンになるとかいうクラスに数名いた夢ない野郎はいまコンビニでバイトをしている。目標は高くもてという良い見本のようで微笑ましいかぎりだ。 そんなことを言いながらも数学がまったく嫌いだったわたしは、高校に入ると同時に物理と科学がまるで親の敵のように嫌いになった。いつの頃からか宇宙を夢見ることもなくなった。けっこう本気だったあの夢がいつなくなったのかは覚えていない。
by oidon-kagoshima
| 2005-01-24 10:36
| エッセイシリーズ
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