2005年 01月 25日
まいにち肉体労働とあまりお利口じゃない女子高生の啓蒙にいそしむ、わたしに対して陣中見舞いが届いた。お友達がつくってくれたコンピレーションアルバムである。しかも曲毎の解説つき。なんたるやる気。そのやる気、お願いだから勉強にむけて欲しい。ほら、いちおうさ試験期間だからさ。
でもその心配りすごい感謝しちゃう。そこでこちらも逆・解説を書くことにした。これ前代未聞の試みだと思う。しかも、わたしだけではない。なんと、今回特別にひっこし屋でいつも一緒のトラックに乗ってるノグチさんに解説をお願いした。ちなみにノグチさんは独身バツイチ55歳のフリーターである。わたしの親父より年上。趣味は週一でかようスナックのママ(推定45歳)とのちちくりあい。 ひっこしに行くときに流し、感想を聞くという方法をとりました。ノグチさんの口述を速記し、わたしが日本語訳をおこなった(ノグチさんは日本語が上手でない)。 01. Sure Shot (Reversion) / London Funk Allstars 「なんだこれは、英語だな。おれの若いころもあったんだよ、こうゆうの。まあオレはあんま聞いてないんだけどさ、ほらオレはもっと魂はいったやつ(注・演歌のこと)好きだからさ。」 02. What It Is / Feature Cast 「アイポッド?ふーん、まあオレにはさ、もう関係ねえだろ。ほら、じいさんみたいなもんだからさ。あれだろ、CDのちっちゃい奴だろ。別れた女房との娘がさ持ってんだよなあ。」 03. Swing Set / Jurassic 5 「いやさ、別れた娘といってももうさ35かな。おまえよか年上だよなあ。子供みてーなもんだよ、おめーもさ(注・ノグチさんはけっこう優しい)。ほら、オレさ会わせてもらえねーんだよ。たしかに昔は悪さもしたしなあ、悪い親だったとは思うからさ。なにーも言えねかなってさ。」 04. Just A Little Lovin' / Irfane 「まあ、この歳になるとさ、やっぱ人恋しいとかはさあるんだよ。おい、なんかこの歌へんだな。こうゆうのなのか。ふーん。そうそう、おまえ電化製品はけっこう荒くていいけどよ家具は気をつけろな。いるんだよ文句たれるやろうがよ。」 05. Happy / Max Sedgley 「しかし、おれも若い頃は音楽(注・演歌)はよく聞いたんだけどさ、聞かねーなさいきんは。なんでも同じなんだよなあ。若いやつはみんなこうゆうの好きなのか?まあ時代のちがいみてーなもんだよな。かわんねーのは役所とかポリみてーなもんぐれーだよ(注・ノグチさんは役所が嫌いである。当然、年金も払っていない)。」 06. Company B-Boy / Backini 「いやおまえもさコンピューターぐらいは使えたほうがいいぞ、いや前話したオレの弟なんてさIBMとかのなんだコンピュータの先生みたいな奴やっててさ羽振りよさそうなんだよな(注・聞くの5回目。ちなみにSEのことと推察される)。まあ世の中手に職つけねーとなんにもなんねーからさ(注・この手の話のときに自分を卑下しないところがノグチさんは偉い)。」 〜到着&ひっこし作業完了〜 07. Up & Down / Urbs & Cutex 「今日は楽だったな。まいんちこんぐらいだといいけどなあ。これから三月だからよ、本番だよ。オレたちの本番は春だからな、なんつっても。まあ、おまえもそのためなんだからよ。まあ、飲み込みはやいと思うぜ、おまえはさ。ひとつ前にはいった奴なんかよ、一日で辞めやがってさ。」 08. Mishaps Happening / Quantic 「おまえも借金あるんだろ、いいよコーヒーぐらいおごってやるよ。まあ息子みてーなもんだからよ、飲めよ。おれもさ借金あったけど、まあありゃ働くしかねえからよ(注・正論である)。働かなきゃへんねーからな。がんばれや。」 09. Imagine / DJ Nu-Mark & Pomo 「そいやなんで借金なんかこさえたんだ?やっぱ女かえ。おまえなかなかいい男だよ、いやオレもさ若いころはこう見えて結構モテテよ。ほら、ゾクでさ頭はってたころあってよ(注・ホントらしい)。そんときとかはよ、モメごとおさえたりなあ。けっきょく母ちゃんハラんじまってな。」 10. Waltz For A Little Bird / Rainstick Orchestra 「ちゃんとしねーとなって思うときがあんだよ、男には。おまえもこれからあるぞ。ケジメつけるときっつーのがよ。ま、そんときはキチっとよつけろよ。それが男のさ、まあ生き方みてーなもんだからよ。」 11. You've Got To Have Freedom / Pharoah Sanders 「なんだ、眠いかおまえ、いいよいいよ寝ても。おまえに運転しろっつってもな。車庫入れんのにあんな時間かかんだからよう、ははは。ほんとにいいぞ寝ても明日も仕事あんだろ、おれは非番だからよ。」 ノグチさんがまったく聞く気がないので、曲の蘊蓄をはさみながら話したら曲そのものに対する感想がほとんど出なかったのが残念でなりません。途中から完全に脱線してしまいました。ただ、わかったのはあの世代のあの育ちの人には「音楽」=「歌」であることです。さいごに、ノグチさんは社会的にはダメダメなんですが実に侠気あふれるよい人間であることを書いておきます。
by oidon-kagoshima
| 2005-01-25 14:00
| オビワン
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