2005年 02月 10日
朝起きたら本に埋もれていた。
比喩ではなくて、実際に本に埋もれていたのである。なぜか、わたしの部屋(といっても客間であるが)のいたるところに本が積まれ、というよりは投げ出されており、あやうく窒息するのではないかと言っても過言ではないところだった。いったい何が起きたのか。 わたしの家の敷地内には物置が4つあるのだが、そのうち実に3つまでもが本のためにある。といっても書庫というような格好いいものでは無い。読まれなくなった本を適当にビニルテープで括り放り投げてあるという代物である。それゆえ、池波正太郎の小説の下に赤塚不二夫の漫画があるといったチャンク極まりないものなのである。 もちろん3つ初めからあったわけでは無い。量に比例して次第に建てましていったわけである。我が家では年代の古い順に「甲」「乙」「丙」という名で親しまれている。丙は5年前に建造された比較的新しいものであるため、中にある書籍もデータベース化されているという近代的なものである。といっても、もちろん場所まではわかるはずがない。マスターキートンは「丙のどこかにあることは分かる」といった具合の、まったく役にたたないデータベースである。 乙も比較的新しいものである。わたしの家が越してきた時、すなわち10年程前に建てられたものであり、最大の容量を誇るわが家の母艦である。ざっと見積もっても3万冊とかあり、誰も読まず使いもしない本の山なのである。一度、会議の末に図書館に寄贈してはどうかという提案がなされ、満場一致で可決された。しかしながら、当の図書館に保存状態の悪さから大部分を体よく断られてしまったのである。まあ、もっともな話だと思うので反論のしようもなかった。 さて、酷いのは甲である。建てられて20年になるらしい甲に関しては、データベース化うんぬん以前に「扉が開かない」のだ。一時は、詰め込みすぎて扉をあけると崩落するという意味だったのだが、3,4年前に意を決して大掃除を試み万全の準備を整え、扉をあけようとした。ぴくりともしない。時間が経つうちにゆがんでしまったらしいのであった。その時は「開かないなら仕方ない」という、家系につたわる諦めの良さが発揮され、合議のすえ放置プレイが決めこまれることになった。今から思うと、原因はまさにアレである。 そんなわけで甲は順調に傾いていった。ここ1,2年は、外から見ても3度くらい傾いており、みんな見てみぬ振りだったのである。もちろん、知らんぷりしようがしまいが劣化はするわけで、昨夜とうとう甲はどーんと崩落したのだった。早朝、雨戸を開けていた母親が投げ出された本の山を発見し、甲から一番近くに面しているわたしの寝る客間にまるまる投げ込んだということだ。さぞ大変だったと思う。ごくろうさまな事だ。と思ったら、後はまかせたと仰る。 さて、一万冊ぐらいあるこの本の山いったいどうしよう。困った。
by oidon-kagoshima
| 2005-02-10 14:33
| オビワン
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